健康経営優良法人認定のための効果検証のポイント大公開!
更新日:5月13日
※この記事は2022年7月時点の情報をもとに作成いたしました。

健康経営の施策についての効果検証は、大規模と中小規模、どちらの部門でも必須項目として記載されています。
経営施策として健康経営を行ううえで重要になる効果検証について、3つのステップと社外PRのポイントについて解説します。
目次
効果検証の重要性について
効果検証で最も重要な3ステップ
効果検証の結果を発信する、社外PRのポイントについて
1、効果検証の重要性について
こんにちは、HATACHIの健康経営エキスパートアドバイザー、福井です。
今回のテーマである「効果検証」は、健康経営優良法人認定を目指す上でとても重要です。
認定基準には、中小規模法人部門では『健康経営の取り組みに関する評価・改善』(図1)、
大規模法人部門では『健康経営の実施についての効果検証』(図2)と、必須項目として記載されています。
表現は違いますが、どちらも効果検証という部分です。
図1

図2

引用元:経済産業省(https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkoukeiei_yuryouhouzin_shinsei.html)
・経営施策としての健康経営だからこそ
要は、「健康づくり実施しました!」というだけでは健康経営とは言えず、「結果がこうで、こういう効果が見込めたので、次回はこうしていきます」と検証してこそ、経営施策としての健康経営ですよ、ということです。
なんだか難しそうですが、読者の皆さまも健康経営以外のお仕事をされる際に、検証、分析、改善というのは日頃から行っていると思います。
どんな事業でも、報告書を書いたりしますし、その中には実績数値や、実施前後の比較や、次回へのアイデアなんかも書いたりしますよね。
健康経営も経営施策として取り組んでいくわけですから、同じような方法で効果検証をしてくださいね、ということです。
中小規模と大規模では、求められるレベルが異なりますが、いきなり考えていくのは難しいと思いますので、行ってほしい効果検証を3つのステップに分けて解説します。
2、効果検証で最も重要な3ステップ

健康経営を行っていただくうえで意識をしてほしい効果検証の3つのステップはこちらです。
健康づくりの取組結果の検証
従業員の健康状態の改善度合いの検証
経営関連指標の改善度合いの検証
ポイントが進むほど、健康経営全体の検証となっているわけですね。それでは順番に、具体的な例をもって解説します。
・効果検証の重要ステップ①健康づくりの取組結果の検証
1つ目の『健康づくりの取組結果の検証』ですが、健康経営として、というよりは健康づくりとしておこなった取り組みそのものの結果を評価する、ということです。
例えば、生活習慣病予防のオンライン研修会を行ったとしたら、
参加率
参加者の理解度
参加者の満足度
というような『取り組みそのものがうまくいっているかどうか』の評価です。
つまり、やりっぱなしはだめですよということです。
多くの企業がこの検証はイベントごとのアンケートで行う場合が多いです。
・効果検証の重要ステップ②従業員の健康状態の改善度合いの検証
次に、『従業員の健康状態の改善度合いの検証』ですが、これは従業員様がどのように変化したのか、を知るための検証です。
研修に参加しただけでは健康になりません。
具体的には、
運動習慣がどれくらいあるか
喫煙習慣がどうか
再検診の対象者がどれくらいいるか
など、取り組みの結果、従業員がどう変わったのかを調べます。
一般的には年に1〜2度のアンケート調査などを行うことが多く、前年との比較などをすることで、健康経営の成果として考えることができます。
・効果検証の重要ステップ③経営関連指標の改善度合いの検証
最後に、『経営関連指標の改善度合いの検証』ですが、これが一番イメージしにくいかもしれません。
この話をするのに、健康経営とは何か、の理解が必要です。
健康経営の目的、ゴールは『従業員を健康にする』ことではありません。
その場合は福利厚生になるので、ご注意ください。健康経営=福利厚生と混同している企業、サービス提供者が多く見受けられます。
健康経営とは、経営施策として従業員の健康づくりに取り組むことで、従業員が健康になって、企業経営にメリットを産み出そう、というものです。
例えば
人勢定着率が○%改善された
保険費用が○%削減された
1時間当たりの生産性が○%改善された
社外PR効果があり株価が○%上がりました
という検証が必要です。
基本的には単年で評価されるものではなく、経年の変化を追って検証します。
効果が出るまでは時間がかかるでしょう。先ほどのステップ2、ステップ1というように段階を踏んで検証を行うことで、到達目標に向けて具体的に進めていくのが有効でしょう。

・認定取得に必要な効果検証とは
中小規模法人部門では、ステップ1までは必須、大規模法人ではステップ2までは必須です。
ブライト500、ホワイト500を目指す場合はステップ3までを行ってください。
しかしながら、中小企業でもステップ2までは検証してほしいと思います。検証して数字が良くなっている必要はありませんが、取得した数字を見て、仮説を立て、次の施策や健康経営の方針決定に役立てる必要があります。
・検証から次の施策が見えてくる
例えば運動機会の創出として、ウォーキングイベントを行ったとします。
ステップ1とステップ2で検証を行います。
具体例:その1
「参加率は高い」が「運動習慣の定着効果は低い」
【結果】興味はあるが、生活を変えるまでの内容ではなかった、またはレベルが合わなかった【対策】・集客方法はそのまま、内容を高度なものに変える
具体例:その2
「参加率は低い」が「運動習慣の定着効果は高い」
【結果】参加率は低いが、イベントの効果があった
【対策】・集客方法を改善
・参加しやすい時間帯に開催する
・参加者にご褒美を渡す
このように、次の取り組みでは何をどう改善するかが導き出せる検証を行ってください。
3.効果検証結果を発信する!認定取得と社外PR
・効果検証の外部発信
読者の皆さんは、企業のホームページなどで健康経営関連の数字を記載しているのを見たことはありますか?
ブライト500を目指す企業や、大規模法人認定の取得を目指す企業は、認定基準として効果検証の結果を公表する必要があります。
目標とセットでまとめることが多いです。
・外部発信の公表例とメリット
例えば、「2025年までに健康診断の再検診対象者を10%まで減らします」と宣言するとします。
昨年度数値は20%で、今年度は15%に改善しました。そのために行った取り組みはこの研修イベントで、参加率は100%でした」のような形です。
これを行うのは認定基準で求められているから、というのもあるのですが、そのほかに大きなメリットがあります。それが社外PRです。
例えば以下の項目などを公表しましょう。
・病気で療養する人数が減った
・残業時間の削減
・社員の定着率
これらを数字で公表することで企業イメージがよくなり、就活生の目に留まり、リクルートへも効果があります。
また、取引先や新規のお仕事につながる可能性もあります。
このように、こまめに検証結果を公開していくことは非常に大きなメリットがあると言えます。
・社内へのフィードバックも必ず行う
また、社員向けのフィードバックも必ず行ってください。
毎月イベントへの参加意欲の向上にもつながります。
イベントを開催するたびに、以下の結果を共有するといいでしょう。
・参加人数
・参加率
・満足度
・行動変容や理解度
イベントの成果や、結果を受けて次回はこう改善します。など、全社員にフィードバックしましょう。
フィードバックすることで、やらされている感覚から徐々に自分事になっていきます。
そうなると個人の反応が良くなり、成果も出やすくなります。こうしたら?というように自発的な意見が出るかもしれません。
社内外にPRや発信を必ず行うことで、組織全体で健康経営に取り組んでいくという体制を作っていきましょう。
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