いまからはじめる!健康経営の『成果を出す』体制づくり
更新日:5月13日
※この記事は2022年11月時点の情報をもとに作成いたしました。

健康経営優良法人の認定取得は、健康経営の取り組みの結果のひとつであり、ゴールではありません。
「健康経営の成果を出す」ということを意識して健康経営を行うことで、組織が、従業員が、どうなってほしいのかを考えていく必要があります。
認定取得だけじゃない、健康経営で組織を良くするために、組織全体を巻き込んだ運営体制を作るポイントをお伝えします。
目次
参加率をアップさせる!健康づくり推進リーダーについて
推進リーダーの作り方
成果の見える化と効果検証
1.参加率をアップさせる!健康づくり推進リーダーについて
こんにちは、HATACHIの健康経営エキスパートアドバイザー、福井です。
今回は、健康経営の「成果を出す」という部分にフォーカスをして解説します。
・認定取得はゴールではない
みなさんは、健康経営の成果とは、どんなものか考えていますか?
健康経営優良法人の認定取得というのは健康経営の取り組みの結果のひとつであり「最終ゴール」ではありません。
健康経営を行うことで、組織や従業員が、最終的にどうなってほしいのか、ということを考える必要があります。
・健康経営のゴールを設定しましょう

認定取得のために最低限で取り組むのが精いっぱい、という方も多いと思います。
健康経営というのは、福利厚生ではありません。
健康経営とは、組織が経営課題を解決するために健康施策に取り組むという事業、経営施策です。
まずは、どのような経営課題を解決したいのか、挙げてみましょう。
例えば、
作業効率を上げて増益する
退職率を低下させて人材確保をする
長期でお休みする従業員を減らして医療費や損失コストをカットする
などゴールを定めてみましょう。
・健康経営施策の参加率をあげるには
とはいえ、施策への従業員の参加率に悩まれている企業は大変多いです。
私の調査では8割くらいの企業が抱えている課題だと思います。一部の人しか興味を持っていない、参加していない、ということは、おそらく普段から健康に興味がある、もしくは組織の取り組みに協力的な人たちのみの参加になっている可能性が高いと思います。
厳しいことをいうようですが、それでは組織の施策としては不十分で、大きな成果も期待できないでしょう。
健康経営で成果を出していく、経営課題を解決していくには、組織全体で取り組むことが不可欠ですから、まずは、参加率を上げていく方法を考えていくべきです。
そんな簡単に...と思うかもしれませんが、参加率を上げるために必ずやってほしいことをお伝えします。
それは、「健康づくり推進リーダー」を各拠点につくることです。
2.健康づくり推進リーダーの作り方

健康づくり推進リーダーというのは、その名の通り健康施策を推進する方です。
主に行っていただくのは、施策に対しての集客です。
この集客を主に担当する推進リーダーを、各拠点、もしくは各部署に1名配置しましょう。
通常、施策を行うときは、メールや回覧で発信しますが、健康に興味がない人に、健康イベントを案内しても参加率は上がらないと思います。
特に、本社や本部の方から一斉メールで案内が届くだけでは優先順位としてはガクッと下がってしまいますよね。
・健康づくり推進リーダーの役割とは
同じ拠点で働いている、または同じ部署で働いている人に推進リーダーとして案内をしてもらうのです。
知り合いが頑張って案内してくれたのだったら、まあ参加してみるか、と行動してくれるわけです。
はじめのきっかけはそれで充分だと思います。一度参加してもらえば、楽しかったり、気持ちよかったりで、次につながります。
「健康になるため」以外に参加しやすいきっかけを作ってあげる、それが健康づくり推進リーダーをの役割です。
・組織づくり推進リーダーに期待すること
健康づくり推進リーダーを作るのは大変そう?と思われるかもしれませんが、案外簡単です。
推進リーダーに必要なのは企画や立案が出来る方、ではなく、集客を中心に行ってもらえる方です。
本部の皆さんが企画したら、各拠点には推進リーダーさんたちから声掛けをしていただく、ということから始めていきますので、委員会のような形ですぐに出来ると思います。
イベント実施後に、だれが参加して、だれが参加しなかったという振り返りを行います。参加リストを元に、もっと有効な集客手段を考えてみるとよいと思います。
推進リーダーの方々は同じ拠点メンバーの顔まで知っているでしょうから、『この人はいつも来ていないな、連れてくるにはどうしたらいいかな』とアイデア出しをしてもらい、次回施策で実行してみましょう。
いきなり参加率100%にはなりませんが、必ず参加率はアップしていきます。
・健康づくり推進リーダーで成功した事例
では実際に健康づくり推進リーダーを育成された企業の事例をご紹介します。
この企業は、従業員300人ぐらい、全国に10拠点あります。拠点ごとに2人ずつ推進リーダーを育成しました。
本部で決めた企画の案内をする際、推進リーダーさんたちが考えて自由に案内していただきました。メールや、掲示、朝礼で発表する方など、それぞれの方法で案内をしたそうです。
結果、それまでは300人中30人しか参加しなかった取り組みが、100人まで増えたそうです。
健康づくり推進リーダーは、ゆくゆくは企画のお手伝いなども期待できるでしょう。まずは参加率アップの重要ポイントになってくれるはずです。
3.成果の見える化と効果検証
それでは、健康づくり推進リーダーを作り、施策を実施したら、実施後は効果検証をしましょう。

・効果検証のポイント3つ
効果検証を行う上で重要なポイントは 3 つです。
施策自体の評価をすること
施策により従業員さんの生活がどう変わったかを見ること
経営課題が改善しているかどうか」を確認すること
順番に解説します。
・効果検証のポイント①施策自体の評価をすること
施策自体の評価ですが、これには二種類あります。
一つは満足度や理解度などの定量評価です。これは選択式のアンケートやテストなどで調査をします。
もう一つは定性評価として、従業員さんが施策に対してどのように感じたかを調査します。
記述式のアンケートでも確認できますが、ここで先ほどお話をした推進リーダーさんが活躍します。
取り組みが終わったらリーダーさんには、参加者にどうだったかのヒアリングを行ってもらいます。雑談程度でいいのですが、ここから非常に有効なアイデアが拾えたりしますので、しっかりヒアリング、共有していくと良いでしょう。
施策の評価は毎回実施するようにしましょう。
・効果検証のポイント②施策により従業員さんの生活がどう変わったかを見ること
例えば、ヨガのイベントやセミナーなどを実施しただけでは健康にはなりません。
運動習慣が増えた、とか、朝食を食べるようになった、睡眠時間を必ず 7 時間とるようにした、など、施策に参加して生活習慣が変わってはじめて健康になるわけです。ここが成功していれば、健康経営の施策としては7割成功です。
この検証は半年〜1年に1度のアンケート調査で確認をします。健康診断の問診の内容で確認する企業が多いです。
・効果検証のポイント③経営課題が改善しているかどうか」を確認すること
最後の「経営課題が改善しているかどうか」ですが、冒頭で解説した、最終的な目標に置いた数字、例えば離職率や生産性などが年次でどのような変化をしているかを確認します。
これは年1回見ていきますが、すぐに成果のあらわれるものではありません。
時間がかかるかもしれませんが、前にお話した2つの検証ポイントで効果が得られていれば、必ず改善していくでしょう。
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